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小学生の頃、父の転勤でアメリカに住んでいた。
それを言うと99%くらいの確率で、
「カッコイイ」「羨ましい」
と言われるが、実際は地獄だった。
スクールバスっていつも大概混んでるのだが、人種がアジア系ってだけで、隣に座らせてもらえなかった。
「ここ、空いてる?」
って聞くと、
「中国人だから座っちゃダメ」
と言われてた。
小学校低学年のハートには辛い経験だった。
「差別された」
その経験が、ずっとトラウマで、ずっとずっと外国人(特に欧米系の白人)が怖かった。
けど最近、テレビで誰かが、
「子どもは差別しない」
って言っていた。
「子どもは子どもだから、差別はしませんよ。だけど、自分と違うものを『区別』はします」
と。
一休さん並みのトンチ?屁理屈?
でも私には、メカラウロコだった。
確かにあの頃のあれは、
「差別」ではなく「区別」
だったのかもしれないと。
だって、あまりにも明けっ広げに言われてたから。
「中国人だからダメ」
罪の意識も、恥ずかしげも無く。
ど直球に。
「中国人だからダメ」
…そもそも、中国人じゃないけど。ね。笑
子どもにとって、自分と違うものは恐怖でしかない。
だから、区別をする。
そんなことを、テレビでは言っていた。
差別ではなく区別。
魂が少し、軽くなった気がした。